Chai on the Balance 2007

 

Exhibition : 44th TROY INTERNATIONAL "BORDERLINE"
Curated by : Denizhan OZER / Seyhan BOZTEPE (TR)
2007.08.10 - 08.17 Canakkale, Turkey

Organized by : Municipality of Canakkale

Supported by : 44th TROY INTERNATIONAL

トルコ文化に興味を持ち、それを少しずつ知るようになってからも、その文化の混合的様相は私にとって奇妙なものでした。それは時々、私の文化的背景であるアジアのものに非常に似ているようにも思われ、しかしまた同時に、多くの場合においてそれはもっとヨーロッパ的なものであるようにも思われました。このような東西の文化融合論的なトルコの現実に関する記述は、恐らく既に多くの人々によって成されています。しかし私にとってそれらは、あくまで二次的な情報に過ぎませんでした。

トルコ文化を西洋側の視点から眺めることが出来るような機会を得てから後、私はようやくここには本当に実際に、東洋化された西洋、或いは西洋化された東洋、 或いはそのどちらでもない、観念的に確立された文化的境界線などから計りだされるようなものでは到底無い、稀有な現実がそこにあるということに気付くに至りました。 それは濃密な文化的、歴史的交差の経緯、或いは結果が、独特で重要な文化的様相をここに描き出しているようでもあります。(まるでそれは有名なトルコ料理、ドネルケバブ、グリルドビーフとパン、フライドポテトとトマトと米とが一緒に皿の上に並んでいるような、さらにはそれらのコンビネーションを実際上手くまとめあげてしまうような。。。)つまりここトルコとは、様々な対立する概念や文化的価値を融合し、それらが共存することをすっかり可能にしてしまうよ うな、豊潤な文化的土壌、或いは歴史的経験を持った土地であるようにも思われます。

今回私はこの個人的な視点を、「蜘蛛の巣」のイメージを使用することによって視覚化したいと考えました。

多くの生物が自身の巣を生成する場合に、己の安全を守る為だけの、家的なものを生成のに対して、蜘蛛は同時に自身の餌を捕獲する為の、罠としてそれを用意します。従って蜘蛛の巣は時に少々、危険な場所というような暗喩を備えて語られます。しかしこの蜘蛛の巣を実際注意深く観察した場合、それが如何に繊細な「緊張感」と「均衡」の上に成り立っているものであるのか、それに気が付くことは難しくありません。それはまた時に、自然の植物と人工的な建物を平気で結びつけ、緻密な、「調和」された空間に仕上げてしまいさえするのです。

これが今回の私のサイトスペシフィックインスタレーションのイメージです。この緊張感と均衡を表現する為に、私は私のトルコ経験の中でもっとも印象的であった文化的 (またはコミュニケーションの為の) アイテム、「チャイ」を使用することにしました。私は72杯の、(チャイを注いだ)グラスを1メートル間隔グリッド状に、天井のない廃墟の天井付近から吊 り下げます。空間内に風に揺れる、ワレモノのチャイグラスは、特に空間内を歩み入る場合には、少なからずの注意を払う必要があります。自然の摂理、重力 に従いながらこの吊り下げられたチャイは、静謐な均衡と、しかし高度の緊張と調和を共存させた空間を再現するでしょう。

 


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